建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
湖沼の遊水機能を生かした治水対策に対する経済効果
都市化の著しい印旛沼流域における実証的検討
古川 厳水長坂 丈巨吉川 勝秀
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2008 年 15 巻 p. 41-50

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抄録

千葉県の北西部に位置する印旛沼は, 利根川の洪水を“外水 (そとみず)”と恐れ, “内水 (うちみず)”印旛沼流域の洪水に長い間悩まされていた. 印旛沼周辺の水害は, 印旛沼の堤防と排水機場によって軽減されたが, 未だその治水安全度は低い. この流域は, 既成市街地の拡大や千葉ニュータウンの開発が進み, 更には成田空港と連絡する北千葉道路の建設が予定されるなど, 都市化の波が押し寄せている. 本研究は, 今までの総合治水に加え, 印旛沼を含む都市化流域の治水対策について検討を実施し, 治水施設の機能向上と流域対策について定量的な評価を行い, 印旛沼の持つ潜在的な遊水機能を生かした治水の方策を考察した. 具体的には,(1) 印旛沼が有する湛水容量に着目したシミュレーションモデルによる現況の評価,(2) 治水の基本的な対応策,(2) 印旛沼流域での実証的検討から沼を含めた総合的かつ経済的な治水対策の提案を行った.

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© 社団法人 土木学会
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