抄録
形骸化した戦後民主主義を問い直し、市民の自立を促進し、市民のっぶやきをかたちにできる新しいリーダーシップのあり方、リーダー像を市民自身がっくっていくことが必要だ。参加型社会のリーダーに求められるのは「俺について来い」型のぐいぐい引っ張っていくリーダーシップではなく、参加者の声をよく聞き、つぶやきを形にしていく、合意形成能力である。また、NPOを起業しようとする人や既存のNPOを支援するだけでなく、自治体や企業の人材を市民セクターと協働できる人材に養成していくことが協働型市民社会を促進するために必要である。そうした職能を私は「協働コーディネーター」と名づける。本論では協働コーディネーターという新しい職能が必要とされる社会的背景、市民、行政企業、NPOのパートナーシップによる協働型社会のあり様、「協働コーディネーター」の職能と社会的役割、その人材養成の方法について論じる