2002 年 9 巻 p. 211-218
わが国において、これまで民間建築工事に導入されているCM方式による工事執行が、公共工事においても具体的に検討されつつある。同方式が本格的に導入された場合には, これまでの請負契約で総合建設業者が実施してきた統括安全管理とは異なる安全管理体制の出現が予想される。その際, CMR (コンストラクションマネジャー) や各建設業者等の安全管理上の役割と責任が, 現行の労働安全衛生法では十分に明確にされない問題が生じることが懸念されている。
本稿では, CM方式の導入に伴う建設工事における安全管理上の問題点を明らかにするとともに, それらに対する適切な安全管理のあり方について検討することを試みた。