抄録
わが国の財政は各種施策を実施するために国債発行や長期借入を行っている。国債や借入金を含めた国と地方の長期債務残高は1998年度に国内総生産 (GDP) を上回り、01年3月末、国債残高が390兆円、長期債務残高が660兆円を超えている。この財政状況の中、国土交通省など公共事業関係省庁は新しい入札・契約制度、再評価システムの導入を行っている。これは財政構造改革を進めるうえで、公共事業の効率的な執行と透明性の確保が重要な課題となっていることによる。また、会計検査では、公共工事の効率的執行という観点から、公共工事のコスト縮減と品質の向上に資することを目的とした検査を行っている。
本研究では、公共事業における検査事例の分析、新しい入札・契約制度、再評価システムの運用実態と課題を検証した。