抄録
本研究では、中国の都市における経済成長と市街地拡大との関連性について分析した。成長会計分析の理論を用いて都市レベルでの経済成長要因を推計し、技術進歩を表すTFP (Total Factor Productivity) の変化について都市別の値を算定した。さらに、これと市街地面積の拡大状況とを比較したところ、TFP成長が大きな都市においては、資本や労働などの生産要素の大量投入によって成長している都市と比べ、市街地面積あたりの生産性の増加が大きいことを示した。中国の都市は、ある一定の経済成長を遂げる場合、TFP成長の高い都市では要素投入成長型の都市に比べて市街地の拡大が低く抑えられる傾向があることを示した。