2006 年 34 巻 p. 423-431
本研究では, 衛星リモートセンシングを用いて広大な面積を有する大規模最終処分場の安定化状況をモニタリングする手法について検討した. 上海市廃棄物老港処置場を対象とし, 現地調査で得られた廃棄物層ガス組成と衛星リモートセンシングで得られたNDVI (Normalized Difference Vegetation Index: 正規化差分植生指標) との関連性について検討した. 両者の間には一定の相関が見られ, NDVIを使用することで廃棄物層のガス組成を推定できることを示した. また, 多時期の衛星画像から得られたNDVIの時期変動パターンを用いることで, 処分場内の植生を分類し, 植生遷移状況の推定及び植生遷移段階が遅延していると考えられる箇所を検出する手法について検討した.