抄録
近年の循環型社会形成推進方に繋がる-連の政策は, 確かに諸方面においてリサイクルの推進率を高めているが, その一方で, 生産効率性への改善効果は懐疑的であるように思われる. 本研究では動学理論モデルにて紹介するように, リサイクル推進という行政介入の意義は認めつつも, 長期的な視点での資源の効率的利用を導くように作用しているかが本質的な問題であることを指摘する. そこで後半では, 近年の紙産業の実態を元に, 生産関数の設定・推計を図り, また市場価格と対比の上, MPVとVPRという評価指標を用いることで, 生産や資源利用の効率性を吟味した. 結果, バージンパルプは市場価格に感応的だが過剰消費の傾向にあり, また, 古紙パルプに関しては政策的な影響のためか, 全般的に合理的な投入の決定であることが見受けられず, より生産に重要な古紙資源は概して過少投入の傾向にあった.