1941 年 1941 巻 21 号 p. 40-42
東亜産のPlatanus化石に就いては前に遠藤誠道博士の研究が有り, P. aceroides GOEPP., P. Guillelmae GOEPP., P. sachalinensis ENDO, P. Heeri Lx. の4種を學げ夫等の産地及び地質時代について詳細に述べられ, Platanus屬は東亜に於いて新第三紀及び其以後の時代に屬する化石の未だ發見されないことゝ, 尚現生種の同定されるものが化石として存在しないことに就いて特に注意されてゐる。筆者等は北海道・樺太の第三紀層より産したPlatamsに就いて5種を檢出し得た。種名及び産地は第1表に示す。表中Platanus HeeriはO. HEER氏がソ領樺太ヅエ附近の白堊紀層より記載したもので, 邦領にはこの産出はない。Platanusの化石葉の分類は困難で, 現在40種を超える化石種中其の大部分は米國學者によつて命名されたもので, 米國の化石Platanusの葉型の多様性を認めるには充分であるが, 直ちに北米に於いてのみ特に多種存在したと考へるのは危險であらう。Platanusの化石葉は大別して次の4葉型群に分けられる。