抄録
生産システムの能力を最大限発揮し,経済的な運用を続けていくためにはたゆまざる改善活動が必要である.しかし,従来の改善活動は,設備や作業場の個々の問題点を優先度付けしながら解決しているものの,必ずしも生産システム全体の能力を効率良く改善できているとは言えない.そこで,改善活動を合理的に行うため,対象生産システムのシミュレーションを行い,生産システム全体としての効果を基準に改善案の優先付けを行うことが重要と考える.本研究では,生産システムの稼動状況をモニタリングする稼動管理システムのデータをシミュレーションで効率良く活用し,改善活動のためにシミュレーションを効率的に利用できる環境を提案する.