抄録
「もの創り」は人間の生き方の問題に帰着する.ものの創造とはものに価値と心を与えることにつながる.「道具」の道とは目に見えない心の道ととらえることができる.自然を基盤とし,自然科学と人文社会科学,哲学・芸術を足場として,右手に技術,左手に技能を携え,心に創意工夫する智恵を宿し,技術を科学し,科学を技能化する心の涵養に努めたい.21世紀の人類の課題は,20世紀の生産文明を自然と人間中心の生産文化へと転換していくことにあると信ずる.筆者は,磁気研磨法の開発研究の経験から人材育成の大切さについて考えてみた.