抄録
転がり機械要素に広く使われている軸受用浸炭鋼SCM420Hは、HRC58以上に熱処理しS-N試験を実施すると、高サイクル疲労の領域でいわゆるWohler曲線に疲れ限度が現れると考えられてきた。しかし現実には、寿命試験又はS-N試験で疲れ限度を報告したものは見当たらない。本研究では、両振りねじりに関するP-S-N(Probabilistic Stress Life)試験を任意の応力水準で実施し、3パラメータワイブルベースと対数正規ベースのP-S-N曲線を求め、SCM420Hの疲れ限度を検証したので報告する。