パッシブTHz近接場顕微鏡による金属表面波の観測

抄録

パッシブTHz近接場顕微鏡とは外部照射光を使用しない顕微鏡であり，物質表面において自然発生しているエバネッセント波を60 nmの空間分解能で検出できる．本顕微鏡を用いてAu，Alなどの金属表面を観測すると，Planck則から想定される強度より100倍以上大きな近接場信号が得られた．この要因を理論的・実験的に解析すると，金属表面においては，電荷・電流の熱揺らぎによって非常に強い電磁場エネルギが局在していることが判った．