すくい面―逃げ面に創生した微細平行溝群が低剛性エラストマーの切削特性に及ぼす影響

抄録

工具表面の微細な平行溝群による低剛性ウレタンゴムの被削性改善効果を吟味した．検討した切削条件は，室温で切削速度5 m/s付近である．微細溝群は，すくい面の他，逃げ面にも，溝幅や間隔を変え，刃先に平行あるいは垂直な方向で創生した．その結果，すくい面上の微細溝は溝幅や間隔によらず切削力を下げる効果があること，逃げ面の微細溝は，刃先に対する溝方向により逃げ面―仕上げ面の接触状態が大きく変化することが分かった．