抄録
:心臓リハビリテーションは運動療法と患者教育が2本柱となる.しかし,開心術後患者は家庭生活に対する不安を感じ生活関連活動への自信を失っているとも述べられている.今回,心大血管疾患開心術後の症例を担当し標準的介入に準じて離床を開始した.その後,症例は精神的落ち込みを認め,臥床傾向となったが病前に行っていた作業の遂行で活動的となった.循環器疾患の病態把握,疾患特異的評価は重要である.しかし,入院に伴う環境の変化,不安や言動の真意を考え,個々人の思考や生活歴から個別的な作業を途切れることなく提供させて頂くことが,急性期心リハ作業療法では大切な役割となる.