作業療法の実践と科学
Online ISSN : 2433-8451
Print ISSN : 2434-5806
1 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 江口 みのり, 髙島 理沙, 坂上 真理, 村田 和香
    2019 年 1 巻 2 号 p. 23-31
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,脳卒中後の高次脳機能障害者が就労継続に至るまでのプロセスを, 当事者の視点から明らかにすることである.3名に半構成的インタビューを実施し,質的 記述的に分析した.その結果,【発症前と変わっていないという自負】,【発症前との変化に よる精神的負担】,【受け入れてくれた存在の大きさ】,【障害に配慮のない会社への苛立ち 】,【提供されたサービスへの不信感】,【会社の意向が変わらないことへの諦め】,【障害と付き 合いながらやる仕事】という7つの大カテゴリが生成された.今後は障害を理解する姿勢 を作れるような会社への働きかけや,障害の説明スキル向上に向けた当事者への支援が必 要となると考える.
  • 杉田 千秋, 髙島 理沙, 坂上 真理, 村田 和香
    2019 年 1 巻 2 号 p. 32-39
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル オープンアクセス
    介護老人保健施設は病院と在宅の中間施設だが,在宅復帰率は低い現状がある.本研究は在宅復帰困難な入所者が生活する中で抱く思いを明らかにすることを目的に,女性5名に半構成的面接を行い,質的記述的に分析した.その結果,【そばに人がいる施設生活への充実】,【緩やかなリハによる体の維持】,【在宅生活への見切り】,【家とは違った施設生活への歯痒さ】,【やっぱり家に帰りたいという願い】,【より快適な居場所探し】,【今後への漠然とした不安】の7つのメインテーマが生成された.全ての研究参加者は【今後への漠然とした不安】を抱いていた.セラピストは本人と共に‘今後’に向き合うことで,不安に対処できる可能性がある.
  • 渋谷 保紀, 大堀 具視, 加藤 良和
    2019 年 1 巻 2 号 p. 40-43
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/05/31
    ジャーナル オープンアクセス
    :心臓リハビリテーションは運動療法と患者教育が2本柱となる.しかし,開心術後患者は家庭生活に対する不安を感じ生活関連活動への自信を失っているとも述べられている.今回,心大血管疾患開心術後の症例を担当し標準的介入に準じて離床を開始した.その後,症例は精神的落ち込みを認め,臥床傾向となったが病前に行っていた作業の遂行で活動的となった.循環器疾患の病態把握,疾患特異的評価は重要である.しかし,入院に伴う環境の変化,不安や言動の真意を考え,個々人の思考や生活歴から個別的な作業を途切れることなく提供させて頂くことが,急性期心リハ作業療法では大切な役割となる.
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