抄録
今回,自身の生活について「楽しいことなんか何もない,無言の行だよ」と語り,生活の満足度が低下している90歳代超高齢女性のクライエント(以下,CL)を外来作業療法で担当した.作業療法士(以下,OT)は生活についての聴取と目標共有を行い,「手を動かすこと」「挑戦すること」がCLにとって楽しみをもたらす作業であったことを理解した.外来作業療法の場面で手芸活動への挑戦を支援し,環境調整や段階づけを行うことで作品を完成させた.施設生活の中でも新たな楽しみを見つけ積極的に作業に取り組むようになった.作業への挑戦を支援することで,超高齢CLの生活満足度を高める事ができる可能性が示唆された.