作業療法の実践と科学
Online ISSN : 2433-8451
Print ISSN : 2434-5806
計算課題遂行中の精神疲労に対する会話の有用性の検討 ―近赤外線分光法(NIRS)による検討―
阿部 友子 山下 聖子竹田 里江
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キーワード: 精神疲労, 会話, NIRS
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 3 巻 3 号 p. 56-64

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抄録

連続した暗算などの精神作業負荷により生じた精神疲労は休憩によって回復することが知られている.一方,作業中に精神疲労を減少させる方法についての検討は少ない.そこで本研究では,精神作業負荷課題中の前後半に会話を行い,会話しない場合や単なる音読の場合と比べて,精神疲労や脳活動,作業量に与える影響を検討した.その結果,前 後半ともに会話中に前頭葉外側部の脳活動が増加した.特に作業後半の会話では,外側部の脳活動が会話後に減少しやすく,会話後に作業量は増加し,精神疲労は増加しにくかった.以上から,作業後半の会話は認知的負担の軽減や作業量の増加,精神疲労の緩和に寄与すると考えられた.

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© 2021 公益社団法人北海道作業療法士会
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