抄録
本研究では,コンサルテーション・リエゾン精神医学(以下,CLP)のなかで作業療法士が行っている実践の内容を明確にし,今後のCLP における作業療法の実践と研究への示唆を得ることを目的にスコーピングレビューを行った. 5 つのデータベースを用いて英語論文と日本語論文を検索しスクリーニングを実施した結果6 件の論文が特定され,せん妄患者に対する作業活動や身体活動を用いた介入,自殺企図者に対する作業活動を用いた個別介入や心理社会的治療の実践が明らかになった.一方で,研究自体の数が不足しているため,せん妄や自殺企図のみでなく,その他の疾患への作業療法士の介入事例を集積し知見をまとめていく必要性が示唆された.