抄録
対象者の心理的側面に焦点を当てた自記式の評価尺度としてOPAを開発し,脳卒中片麻痺患者49名を対象に信頼性と妥当性を検証した.構造的妥当性は探索的因子分析で主因子法を用いた結果,本尺度が1因子10項目の構造であることが確認された.内的整合性にはCronbachのα係数を用い10項目全体がα=0.881となり基準値を満たした.また再検査信頼性は項目2の自己肯定感を除き有意な相関が認められた.さらに併存的妥当性を検証した結果OCAは中等度の相関,EQ-5D-5Lは弱い相関を得た.OPAは信頼性と妥当性ともに良好で項目数も少なく簡便であるため,対象者の能動性を評価する尺度としての使用が期待される.