抄録
透析患者は脳血管性認知症の発生リスクが高いことが報告されているが,自動車運転に関わる高次脳機能については不明である.当院で通院透析を行う44名を対象にMMSE-J,TMT-A・B,ROCF模写,FABを実施し,健常コントロール群と比較した.さらに事故歴,違反歴の分析の他,透析患者において臨床パラメーターと相関分析を行った.透析患者では認知機能全般は保たれているが,注意機能,視空間認知機能は低下していることが明らかになった.また,事故率が高く,違反歴の有無と自己評価の間に乖離もみられた.自動車運転においてリスクが潜在している可能性があり,より詳細な客観的評価が必要である.