理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
肩関節拘縮の理学療法効果:システマティック・レビューによる検討
村田 健児久保 和也藤井 貴弘八角 真衣亀田 光宏大宮 めぐみ篠田 恵美島村 穣高橋 愛中村 友美松本 拓也
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2013 年 20 巻 1 号 p. 51-56

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抄録

肩関節拘縮は,臨床において運動療法や物理療法を治療手段として用いるが,その効果は明確にされていない。本研究は,システマティック・レビューを行うことで,肩関節拘縮に対する理学療法効果を検証した。方法は,MEDLINE(PubMed)から肩関節拘縮の理学療法に関するキーワードを用いて,2002年4月から2012年4月までの論文を検索した。抽出条件は,ヒトを対象としたランダム化比較試験(Randomized controlled trial,RCT),英語または日本語を言語とした。結果,754編の論文が抽出され,条件を満たす論文は15編であった。肩関節拘縮患者に対する理学療法の効果は,物理療法は疼痛軽減,運動療法は可動域改善に有効である結果を示した。効果検証のために利用されたアウトカムは,肩関節可動域とVAS(Visual analogue scale)が多数を占めた。しかし,病期やアウトカム,介入時期,介入方法は多岐におよび,今後更なる介入研究と理学療法領域の総合的な評価をアウトカムとして用いる必要がある。

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© 2013 社団法人 埼玉県理学療法士会
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