理学療法 - 臨床・研究・教育
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症例検討
著明な下肢伸筋痙性によりADLが著しく低下した高齢者の治療
―動作能力に向上が見られた一事例報告―
須藤 彩佳
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2013 年 20 巻 1 号 p. 67-69

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抄録

[目的]腰椎圧迫骨折に対する術後に右脛骨骨折を受傷し,6週間の免荷を余儀なくされたことで,ADLが著しく低下した高齢者の治療を経験した。症例は下肢伸筋痙性が非常に強く,わずかな随意運動にも痙性と強い痺れの出現により痛みが伴った。その影響から,動作に対する恐怖心が強くなった症例の基本動作,ADLをいかに向上させるかを考え理学療法介入を行った。[方法・結果]介入は,1日3単位を目安に10日間行った。治療は環境設定をはじめ最小の運動量で動けるよう意図し,能動的な活動経験を積み重ね内観を変化させた結果,症例のADLと心身に変化が見られた。[結論]安楽な動作の早期獲得により自立度の向上に努めることが,患者さんの心身機能の向上に良い結果をもたらした。

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© 2013 社団法人 埼玉県理学療法士会
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