理学療法 - 臨床・研究・教育
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症例検討
装具の修正によって足関節周囲のコントロールが改善し歩行能力が飛躍的に向上した症例
中野克己
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キーワード: 足関節, バランス, 下肢装具
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2013 年 20 巻 1 号 p. 63-66

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抄録

脳出血により右片麻痺を呈した50歳代女性に対して,装具装着下で足関節のコントロールを目的にした理学療法アプローチを実施した。歩行練習開始時は,平行棒とAFOを利用するも麻痺側下肢立脚時の膝折れや下肢振り出し時の爪先引っ掛かりにより,中等度の介助を必要とした。装具の硬さ,アライメント,パッドなどの修正を加えた結果,装具の修正直後に4点杖とAFOで見守り歩行が可能となり,1週間後にはT字杖へ,6週間後には連続歩行距離が2 km以上へと拡大した。その後,修正点をもとに本人用プラスチックAFOを作製したが,跛行の再現は見られなかった。以上のように足関節のコントロールを目的にした理学療法アプローチは,より早期に歩行獲得を目指す手段として有用である可能性がある。

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© 2013 社団法人 埼玉県理学療法士会
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