理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
大腿骨近位部骨折における骨折型の違いが術後の機能回復および自宅退院の可否に及ぼす影響
若梅 一樹米澤 隆介目黒 智康海老澤 玲田沼 志保桒原 慶太塗山 正宏占部 憲
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2015 年 22 巻 1 号 p. 58-62

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抄録
【目的】大腿骨近位部骨折において骨折型の違いによる術後の機能回復および自宅退院率を比較検討した。【方法】大腿骨近位部骨折患者26例を対象として,骨折型によって頚部骨折群15例と転子部骨折群11例の2群に分類し,術後1週と退院時において術側股関節の関節可動域,術側と非術側の下肢筋力,および歩行能力を測定した。また,自宅退院率を調査した。【結果】術後1週において,頚部骨折群は転子部骨折群と比べて下肢筋力のうち術側の股関節外転筋力が有意に強く,病棟での歩行自立度も有意に高かった。退院時において,頚部骨折群は転子部骨折群と比べて受傷前と同様の歩行能力まで回復した割合が有意に高く,自宅退院率も有意に高かった。【結論】大腿骨近位部骨折において,頚部骨折は転子部骨折よりも術後の筋力や歩行能力の回復が早く,自宅退院率も高いことが示された。
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© 2015 社団法人 埼玉県理学療法士会
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