抄録
【目的】脳卒中片麻痺者に対し,プラスチック短下肢装具着用にてバランスボードエクササイズ実施後,歩行時間短縮が得られる方と,変化がない方の比較を行った。【症例】院内歩行自立している入院患者1名,屋外歩行自立している外来患者1名。【方法】10 m歩行,Time up and Go test(以下TUG)を測定後,バランスボードを使用した運動を行い,同評価を再測定した。【結果】変化がない対象者は10 m歩行,TUGがカットオフ値を越えており,手放しでshift-weight可能だった。短縮が得られた対象者は10 m歩行,TUGが遅く,平行棒に掴まらないとshift-weightができなかった。【結論】脳卒中片麻痺者においてプラスチック短下肢装具を着用した状態では,把持物に捕まりバランスボード上でshift-weightできる程度の患者にて,即時効果として歩行速度の短縮が得られる可能性が考えられた。