理学療法 - 臨床・研究・教育
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症例検討
Windswept deformity様のアライメントを呈した膝関節半月板損傷例に対する理学療法の経験
大草 綾音渡辺 学
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2019 年 26 巻 1 号 p. 63-66

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抄録

【はじめに】Windswept deformity様アライメントに対する理学療法に関しては,これまで報告が少ない。今回,股関節と体幹機能に着目し治療を行い,一定の効果を得たため報告する。【症例記述】両側変形性膝関節症に対する右膝関節高位脛骨骨切術によって,Windswept deformity様アライメントを呈し,その後右膝関節半月板損傷のため入院し,半月板縫合術後に理学療法を行なった。股関節や体幹の運動方略を変化させ歩容の修正を図った結果,疼痛軽減と歩行効率向上が得られた。【考察】代償的歩容が,両膝関節へメカニカルストレスを与えていると推察され,股関節と体幹の筋力増強と協調運動により能動的に体重を支持し,適切な重心移動をすることが,効果的であったと考えられた。【まとめ】windswept deformity様アライメントに対し,股関節や体幹機能により適切な重心移動を学習することが,歩容や疼痛を改善させる一手段となりうることが示唆された。

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© 2019 社団法人 埼玉県理学療法士会
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