2021 年 28 巻 1 号 p. 40-45
【目的】本研究は心原性脳塞栓症による意識障害者の初回離床日以前の情報から継続して離床が可能な群と離床を中止した群の特徴について検討することを目的とした。【方法】心原性脳塞栓症患者28名を対象に初回離床日から14日間離床可能だった群を「離床可能群」,血圧変動を理由に離床を中止した群を「離床不可群」とした。更に「離床不可群」のうち血圧上昇による中止を「血圧上昇群」,血圧低下による中止を「血圧低下群」とし,3群に分類した上で患者情報・入院経過の情報から比較検討を行った。【結果】離床可能群14名,離床不可群14名のうち血圧上昇群8名,血圧低下群6名であり,3群比較の結果,年齢と初回離床日数に有意差を認めた。更に離床可能群を対象とした多重比較では,年齢(離床可能群 > 血圧上昇群,離床可能群 > 血圧低下群)と初回離床日数(離床可能群 < 血圧上昇群)に有意差を認めた。【結論】年齢と初回離床日数は継続的な離床における血圧変動と関連を示し,離床の可否を判断する上での一端を担う情報である。