2021 年 28 巻 1 号 p. 45-50
【目的】不全胸髄損傷患者に対するセミリカンベント式エルゴメータを用いた高負荷での座位ペダリング運動の効果を明らかにすること。【方法】研究デザインはABA法を用い,A期は従来の理学療法,B期は従来の理学療法とペダリング運動とした。運動設定はアイソキネティックモードにて20回転/分とした。運動強度は脚伸展最大トルクの70~80%で行った。アウトカムは脚伸展最大トルク,Lower Extremity Motor Score(以下LEMS),Walking Index for Spinal Cord Injury Ⅱ(以下WISCIⅡ),大腿直筋の筋厚とした。【結果】脚伸展最大トルクとLEMS,WISCIⅡは介入後に向上し,フォローアップ後も維持された。筋厚は著明な変化は認めなかった。【結論】高負荷での座位ペダリング運動は,下肢の筋出力の向上と歩行能力の改善に寄与する可能性が示唆された。