2024 年 31 巻 1 号 p. 22-32
【目的】日本の理学療法士(PT)が,今後,国際スポーツ大会でメディカルサポートを行う専門職となるよう支援していく上での現状の課題を明らかにすること。【対象と方法】東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のボート競技において現場でメディカルサポートを行ったPTを対象に3ラウンドデルファイ法を実施した。第1ラウンドでは各参加者から現状の課題へ自由解答で意見を求めた。筆者2人によるKJ法で20の課題リストを作成し,第2・3ラウンドの調査では各課題への同意の程度を5段階で調査した。【結果】第2・3ラウンド調査の結果,14の課題が事前に設定した合意基準(平均点3.5点以上,中央値4点以上,一致率70%以上,変動係数20%以下)に達していた。【結論】PTの職域拡大・充実のために,今回得られた課題への対応について今後検討が必要だと思われる。