理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究論文
下肢装具チェックシートを用いた装具支援格差の実態調査
―介護支援専門員を対象とした研究―
小川 秀幸三井 直人宮原 拓也濵野 祐樹松岡 廣典仲里 到中野 克己
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2024 年 31 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

【目的】下肢装具が破損した状態で使用しているなど装具支援格差の問題は社会的な課題である。しかし,その実態や具体的な装具の問題点については不明な点が多い。本研究は,装具使用者に関わる機会が多い介護支援専門員(ケアマネ)を対象にアンケートを実施し装具格差の実態を明らかにすることを目的とした。【方法】さいたま市全域の居宅介護支援事業所を対象に郵送によるアンケートを実施した。回答者は下肢装具使用者を担当した経験のあるケアマネまたは代表1名とした。【結果】アンケートの回収率は49.2%だった。下肢装具使用率は4.5%であり,その装具使用者の30.5%は装具に問題が生じていた。具体的な問題で最も多かったのは「装具が当たり痛みがある:26.8%」であった。【結論】さいたま市の居宅介護支援事業所を利用している要介護認定者のうち4.5%が装具使用者であった。そのうちの約3割は装具に何らかの問題が生じている実態が明らかとなった。

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© 2024 社団法人 埼玉県理学療法士会
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