関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-131 ストレッチポールを用いたエクササイズが片脚立位前額面アライメントに与える影響
森川健史高橋夏海
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p. 131-

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抄録

【目的】ストレッチポールを用いたエクササイズが片脚立位中の体幹前額面アライメントに与える即時的効果の検討を本実験の目的とした。

【方法】対象は健常成人男性16 名(28.7±5.0 歳)とし、除外基準として片脚立位を行う際に支障となる下肢体幹の有痛性疾患と神経疾患の既往とした。対象者は左右交互に片脚立位になりその姿勢を正面からデジタルカメラで撮影した。その後、日本コアコンディショニング協会にて提唱されているストレッチポールを用いたベーシックセブンによるエクササイズを行い、再度片脚立位による撮影を行った。PC に取り込んだ画像から画像解析ソフトを用いて対象者の胸郭傾斜角・骨盤傾斜角・胸郭骨盤側屈角を算出した。統計処理は、算出した項目ごとに利き脚・非利き脚の違いについて対応のないt 検定を用いて確認した後に、エクササイズ前後を対応のあるt 検定を用いて比較を行った。すべての統計処理について、IBM SPSS Statistics 23 を使用し、有意水準5%とした。

【倫理的配慮】本実験は当院倫理委員会承認のもと、ヘルシンキ宣言に基づき書面と口頭にて説明をしたうえで同意書に署名をした者を対象とした。

【結果】胸郭傾斜角・骨盤傾斜角・胸郭骨盤側屈角のそれぞれについて、利き脚・非利き脚による違いを各項目で対応のないt 検定を用いて比較した結果、有意な差は認めなかった。エクササイズ前後の各項目の値を対応のあるt 検定を用いて比較した結果、有意な差は認めなかった。

【考察】下肢には蹴り脚と踏切脚という機能的な役割の違いが左右側性Laterality として知られているが、本実験の結果より、片脚立位では支持脚の違いによる前額面アライメントの違いを認めなかった。また、ストレッチポールを用いたエクササイズは片脚立位の前額面アライメントに変化を及ぼさないことが示唆された。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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