関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-013 (公社)埼玉県理学療法士会27 年度活動報告急性期病院と回復期病院間での情報共有に関す る実態調査
廣瀬友太海老澤玲小芝健高橋幸司山本陽平若梅一樹戸口智子関口裕也岡持利亘
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p. 197-

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抄録

【目的】埼玉県士会職能局医療保険部では、今後の病院間連携のあり方について考えることを目的に急性期病院

(以下、急性期)と回復期病院(以下、回復期)にアンケート調査を実施した。

【方法】埼玉県内の急性期7 施設と回復期6 施設を対象に「急性期と回復期の情報共有に関するアンケート」を実施した。調査期間は平成27 年7 月24 日から8 月17 日で、急性期から12 件、回復期から9 件の回答を得た(施設ごとの回答率は46%)。

【結果】「回復期への情報提供を行っている」と回答した急性期は100%であったが、「急性期への情報提供を行っている」と回答した回復期は25%であった。また、情報提供書について、すべての急性期が「負担に感じている」と回答した一方で、回復期からは「急性期から提供される情報の内容不足」を訴える意見が多数あり、急性期の負担感に対して回復期の満足度が低かった。情報共有の手段は情報提供書や連携パスなどの書面が95%を占め、急性期の

66%、回復期の100%が「連携が不足している」と回答していた。急性期の83%、回復期の75%が「今後、連携方法を変化させる必要がある」と回答しており、具体例として「急性期と回復期間で同一症例の検討」などが挙げられた。

【考察】現状では急性期から回復期への一方的な情報提供であること、回復期が必要としている情報提供が行われていないことが課題である。また、提供書作成者の負担軽減も重要であり、情報提供書の内容と連携手段を検討していく必要がある。今後、急性期と回復期が相互理解を深めるため、連携をとりやすい関係性を構築するための機会が一層必要と考える。

【倫理的配慮、説明と同意】本調査は埼玉県士会理事会にて事業承認されたものである。調査実施時に目的や結果の公表を明記し、回答を得た時点で同意を得たものと判断した。また無記名で調査を実施し、個別機関名が特定されないように配慮を行った。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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