関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-034 当院における脳卒中後遺症者の食事動作に対する関わり
関根陽平村田佳太木下良一木村誠久場川真那
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キーワード: 脳卒中, 食事動作, 経口摂取
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p. 218-

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抄録

【はじめに】当院の脳卒中後遺症者の経口摂取移行率は平成27 年1 月~12 月では53.1%となっている。今回、当院で実施している摂食機能に関する会議にて、介入の必要性が提案された症例の経口摂取能力の獲得に対して、担当者間の情報交換と、問題解決に対する助言の役割を担った。結果として、3 食の経口摂取が可能となったので報告する。

【対象と方法】対象は、脳梗塞により左片麻痺症状と嚥下機能の低下が認められた70 歳代の男性1 名。平成27 年

3 月の入院時、不顕性誤嚥を認め、経鼻経管栄養の適応。4 月中旬、医師による嚥下造影検査により、直接摂食練習を開始。5 月中旬、ティルトリクライニング車いすを使用しての昼食を開始。しかし、自力摂取は困難で、食事全量介助の状態であった。方法として、自力での3 食の経口摂取を目標に、食事場面を評価し、各担当者に経口摂取に必要な介入の提案を実施した。

【結果】担当PT に対し、a.ポジショニングb.座位能力の改善に対する介入を提案した。OT に対しては、a.自助具の

検討b. 食事環境を確認した。ST に対しては、a.PT と共同での移乗動作とポジショニングの実施b.嚥下機能の情報発信と、食事介助の情報交換の管理を依頼した。これらを継続した結果、5 月下旬より夕食、6 月中旬より朝食が開始となり、3 食の経口摂取に至った。また、5 割程度の自力摂取が可能となった。

【結論】食事動作の介入において、リハビリ担当者の症例に対する全般的な介入に合わせ、担当者以外のスタッフが客観的に評価する事で、より介入を円滑に進める事が可能であったと考えられる。また、各担当者が日々の介入の様子を加味し、担当者自身が問題解決に取り組めた事が、症例を中心としたチームアプローチに繋がったと考えられる。

【倫理的配慮,説明と同意】対象者である症例、及びご家族に対し、口頭、及び書面にて本研究の説明を行い、同意を得ている。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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