関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-035 繰り返しの投球が肩関節回旋筋群に与える影響について―回旋筋群の回復をもとに投球間隔 を探索する―
小野優輔作美真以佐藤茜山崎駿新谷益巳
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p. 219-

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抄録

【目的】本研究は繰り返しの投球が肩関節回旋筋群に与える影響について,投球側肩関節回旋筋力の変化を引き起こす,投球回数及びその間隔と,投球前に対し各投球回数の筋力と投球後5 日間の筋力の変化を調べることを目的とした.

【方法】対象は,野球経験のある大学生5 名(平均年齢20 歳).群馬医療福祉大学倫理審査委員会の承認と,研究参加に同意を得た者を対象とした.方法は,20 球1 単位として計5 回実施.回旋筋力の測定は,BIODEX(BIODEX 社製)を使用し,投球前と各投球回数とその後5 日間測定した.測定肢位は,肩甲骨面及びゼロポジション近似肢位とし,等速性運動は60°/sec で行った.パフォーマンス測定はスピードガンを使用.解析は,JSTAT for Windows 使用し,投球前に対し,各投球回数後の最大トルク,平均パワーに対して対応のあるt-検定.100 球後に対し,1 日から5 日後の最大トルクと平均パワーに対して対応のあるt-検定.投球前,各投球回数,1 日から5 日後の肩関節外旋と内旋の最大トルクと平均パワーに対して対応のないt-検定を行う.投球前の最大トルクと平均パワーを100%とし,それに対する各投球回数の割合、100 球後から5 日間においては回復状況を求めた.

【結果】最大トルクは,内外旋ともに60 球後に最低値となり,投球後の回復は,内旋で2 日後,外旋は1 日後に最低値を示した.また内外旋ともに3 日後以降から上昇した値を示したが,5 日後では投球前の値に戻らなかった. 平均パワーは,内旋で60 球後,外旋で80 球後に最低値を示した.100 球後からの回復は,内旋は3 日後のみ上昇がみられたが,4 日後には最低値を示した.外旋は,1 日後から徐々に上昇した.内外旋ともに5 日後は投球前の値まで回復しなかった.

【考察およびまとめ】 先行研究同様に肩関節回旋筋力は徐々に低下した.その後の回復状況については,研究報告が少なく,本研究結果から数日間,投球間隔をあける事が必要であることが示唆された.

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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