関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-036 当院における地域学童野球への野球肘検診活動について
伊沢諒押山徳安江大輔押山麻里
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キーワード: 野球肘検診, 野球肘, OCD
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p. 220-

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抄録

【目的】成長期の野球肘障害、特に上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎(以下OCD)においては早期発見が重要である。

そこで当院では、2013 年度より医師・地域高校と協力し地域学童野球チームに対し野球肘検診を実施している。今回、当院の三年間の活動について報告する。

【方法】対象は2013~2015 年度に検診に参加した選手(287 名)とし、医師による超音波画像診断装置(以下エコー) を用いた両肘の検査を行った。また指導者や家族に対し投球障害の勉強会と、選手へのストレッチ指導などを実施した。2014 年、2015 年度においては選手(194 名)・指導者(22 名)に障害予防についてのアンケートを実施した。また、アンケートは目的を書面にて説明し、同意を得た。

【結果】エコー検査にてOCD が疑われた選手は287 名中5 名(1.7%)であった。選手へのアンケートでは、週の練習平均日数が4.8 日であった。投手(53 名)では、一日の投球数が60 球を超えていた選手が49%であり、その内23% は100 球を超えていた。また一日2 試合登板したことのある投手は21%であった。指導者アンケートでは、指導年数の平均が1.7 年であり、適切と考える一日の最大投球数が60 球以上と回答していた指導者が90%であった。また、臨床スポーツ医学会による「青少年の野球障害に対する提言」については知らないという回答が86%であり、「メディカルチェックが少年野球に必要か」、「試合での選手の投球制限は必要か」に対しては必要という回答が100%であった。

【考察】指導者はメディカルチェックや投球制限の必要性は感じているが、障害予防についての知識は不足していると考えた。それに関連してか、選手の投球数も「青少年の野球障害に対する提言」と比較しても多い傾向にあった。

【今後の展望】現在行っている活動内容をより良質なものにし、地域への障害予防への理解をより深めていくためにも今後継続して野球肘検診を行っていく必要があると考える。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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