関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-038 ハーフマラソン後の身体機能変化及び筋疲労、筋疼痛について
渡邊恭介成田崇矢白澤美雪末木千裕中嶋恵菜吹田裕美子渡邉幸美
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p. 222-

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抄録

【目的】ハーフマラソン後の身体機能変化及び筋疲労、筋疼痛について調査し、疲労回復や障害予防へのアプローチを検討することである。

【方法】対象者は2014 年富士鳴沢紅葉ロードレース(距離:21.0975km)に参加した健常成人16 名(平均年

齢:22.2±4.9 歳、男性8 名、女性8 名)とした。レース後の疲労、疼痛部位を質問紙(複数回答)にて調査した。身体機能は体重、体脂肪率、筋硬度は大腿前面、後面内側・外側、下腿前・後面、下肢周径は大腿膝蓋骨直上5cm、下腿の最大周径、筋柔軟性は指床間距離と踵臀間距離を各々レース前後に測定し平均値を採用した。筋硬度はNEUTONE TDM-N1/NA1 を用いて計測した。統計処理はレース前後の結果を対応のあるt 検定にて比較し、有意水準は5%未満とした。また、説明と同意はヘルシンキ宣言に基づき当院倫理委員会の承諾を得て実施した。

【結果】疲労部位は総数53 件中、下腿後面16 件(30.19%)、疼痛部位は総数49 件中、大腿前面10 件(20.41%)が最も多い結果であった。身体機能評価(平均)は、体重(kg)(前:57.0、後:55.6)、筋硬度大腿前面(N)(前:1.10、後:1.14)、下腿前面(前:1.43、後:1.39)、下腿後面(前:1.22、後:1.15)、下腿最大周径(cm)(前:34.5、後:33.6)にレース前後で有意差を認めた(P<0.05)。体脂肪率、筋硬度の大腿後面内側・外側、大腿周径、筋柔軟性は有意差を認めなかった。

【考察】ハーフマラソン後に体重、下腿周径、下腿筋硬度に低下を認め、下腿後面に筋疲労が生じた。これは発汗による筋血流量減少が筋内圧低下をもたらしたと考える。また、筋血流量低下による無機リンの蓄積にて筋疲労が生じたと推測する。また、大腿前面部では筋硬度増加、筋疼痛を認めた。本レースはアップダウンの激しいコースであり、衝撃吸収作用のある大腿四頭筋に筋損傷が起きたと推測する。本研究によりランニング後の大腿と下腿の機能変化に違いを認めた。その原因については、更なる検討が必要である。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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