関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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口述
O-067 THA 術後患者の術後3 ヶ月におけるJHEQ スコアの不良群の特徴
鈴木則幸川井誉清山本晋士神川康也
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キーワード: THA, 術後3 ヶ月, JHEQ
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p. 67-

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抄録

【目的】当院では人工股関節全置換術(以下THA)に対し、THA 術前後の評価として日本整形外科学会股関節疾患評価質問表(以下JHEQ)を用いている。斎藤らはJHEQ スコアに術後3 ヶ月以降有意差はないと報告しており、術後3 ヶ月におけるJHEQ スコアを向上させることが重要と考える。本研究の目的は、THA 術後3 ヶ月において良好群・不良群に分類し、不良群に関連する因子を検討することを目的とした。

【方法】対象は片側THA を施行し、術後3 ヶ月まで経過観察可能であった48 名(男性12 名、女性26 名、年齢

67.7±8.8 歳、全例変形性股関節症、前方アプローチ)とした。除外基準は術後合併症例、両側THA 例とした。対象者にはTHA 術後3 ヶ月に術側・非術側の股関節可動域(以下ROM:屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋)、JHEQ を測定した。検討項目は術後3 ヶ月JHEQ スコアを60.0 点(中央値)で良好群、不良群の2 群に分類し、年齢、体重、BMI、ROM、術後3 ヶ月JHEQ 総点、JHEQ(痛み、動作、メンタル)とした。統計処理は、SPSSver17.0 を使用し、各項目についてMann-Whitney`s U test を行い有意水準は1%とした。対象者にはヘルシンキ宣言に基づいて研究の趣旨を十分に説明し、同意を得た上で研究を行った。

【結果】屈曲は不良群90.4°、良好群102.3°、伸展は不良群2.1°、良好群6.0°、外旋は不良群22.2°、良好群

32.5°、痛みは不良群21.4 点、良好群26.4 点、動作は不良群9.7 点、良好群20.7 点、メンタルは不良群13.4 点、良好群24.4 点、JHEQ 合計点は不良群44.4 点、良好群71.57 点であった。

【考察】成嶋らは不良群では痛み、動作、メンタル項目が低く、改善度が満足度に影響すると報告している。本研究結果では、術後3 ヶ月における不良群の関連因子として、特にJHEQ 総点、痛み、動作、メンタルに関連がみられたことから、成嶋らの報告に類似して痛み、動作、メンタル項目の合計点が低いほど術後3 ヶ月においても不良群となる傾向にあった。

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© 2016 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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