2018 年 67 巻 5 号 p. 225-232
埼玉県内の研究用生態園をモデル生態系に選び,2011~2013年にかけて池水,土壌,生物試料中のγ線放出核種(134Cs, 137Cs, 110mAg, 40K)を測定した。生態園から採取した全ての試料から福島第一原子力発電所事故由来の134Cs, 137Cs及び天然の40Kが検出されたが,濃度は試料によって大きく異なった。また,ザリガニから110mAgが検出された(0.11~1.0 Bq/kg生)。池水の137Cs濃度(Bq/kg)に対する各種試料中の137Cs濃度(Bq/kg)比を計算すると5~5400であり,全ての試料で池水より137Csを高濃縮している傾向が明らかとなった。