2026 年 30 巻 1 号 p. 178-186
2007年に発刊された鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)では,土構造物の性能規定化を反映した盛土の設計方法が示されているが,従来の仕様に基づく設計も適用できるように盛土の適合みなし仕様が規定されている.適合みなし仕様で規定される盛土の安定勾配については,従来からの経験に加えて代表的な盛土断面に対する試計算が行われたうえで設定されているが,試計算では9m以下の一般的な高さの盛土のみを対象としており,近年,山岳部等を中心に実績が増えてきている高さが9mを超える高盛土を対象とした試計算は行われていない.そのため,高さ20m以下の鉄道盛土を対象に性能照査を行い,要求性能を満足するか確認した.また,高さ9m以下の盛土についても改めて照査を行ったうえで,過去の試計算と比較を行った.その結果,高さ9m以下の盛土はすべてのケースで照査を満足することを確認した.一方で,高さ12m以上の盛土では,性能ランクIIIにおいて盛土体の残留変形の照査を満足しない結果となった.