2026 年 30 巻 1 号 p. 64-67
本研究では,首都圏鉄道網を対象に,時刻表に基づく時空間ネットワークを構築し,Recursive Logitモデルで利用者の経路選択と需要配分を推定した.また,特定列車への遅延の付与と,混雑による停車・走行時間の延伸,後続列車の追従制約,積み残し,乗換不成立,回復運転を考慮した遅延の増幅・伝播を一体的に表現し,需要配分と列車運行を統合した.さらに,遅延の生成・波及と経路再選択を同一計算で扱うことで,遅延時における需要の再配分と混雑悪化の相互作用を捉えた.加えて,局所的遅延が後続列車へ連鎖し,接続や直通を介して他路線へ波及して混雑分布を変化させ,時空間プリズム制約下で移動不成立も生じ得ること,損失は待ち時間増加が支配的となることを示した.