抄録
母集団から取られたn個の独立な標本X_i(i=1,2,…,n)から計算される標本平均X^^-と標本分散S_<XX>が,寿命分布に含まれる未知パラメータの推定に利用されることが多いが,その推定精度の向上(偏りと平均2乗誤差の縮小)のためにX^^-とS_<XX>の高次モーメントの評価値が有用である。そこで,まず,正規分布とワイブル分布の場合について,これらの高次モーメントの評価法を示し,次にその評価値を利用して正規分布の標準偏差σとワイブル分布の形状パラメータmの推定量の精度を向上させた事例の解析結果を与え,また10000回のモンテカルロ・シミュレーションの結果を示す。