抄録
エレベーターを主とする昇降機等の建築工作物は,昨今の建築物の高層化や公共施設のバリアフリー化,施設設備の多様化に伴って設置台数が急増しており,過去20年間で設置台数は3倍以上となっている.これに伴って,新たな機構や省エネ型エレベーターも登場し,その保守点検方法も多様化の一途を辿り続けている.このような状況の下で,最近,エレベーター関連の事故が多発しており,再発防止対策が急務となっている.本報告では,昨今のエレベーター等の機構の変遷とそれに対応した法令改正について解説し,今後の事故再発防止に向けた設計技術の重要ポイントについて言及する.