日本信頼性学会誌 信頼性
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多目的ロバスト設計のための方法論確立と実問題応用(データと信頼性)
下山 幸治鄭 信圭大林 茂
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2010 年 32 巻 2 号 p. 105-112

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抄録
本稿では,"設計の失敗"を防ぐための新たな設計アプローチとして提案されている"ロバスト設計"を取り上げる.ロバスト設計とは,実設計問題に不可避的に存在する不確定性(製造誤差・使用環境変化等)の影響を考慮した設計手法であり,不確定性のない理想的環境下で最大性能を発揮する("最適性"に優れた)工学製品ではなく,たとえ不確定性が存在したとしても安定した性能を発揮できる("ロバスト性"に優れた)製品を設計することを目標としている.ロバスト設計問題は,改善すべき指標(最適性・ロバスト性)が互いに相反した関係(トレードオフ)にある多目的最適化問題とみなすことができるため,筆者らは一般的な多目的最適化問題の解法に強い多点型解探索アルゴリズム"進化的アルゴリズム"をロバスト設計問題の解法に生かすことで,独自のロバスト設計手法"多目的シックスシグマ手法"を考案した.本稿では,この多目的シックスシグマ手法を解説するとともに,従来のロバスト設計手法との比較実験および実問題応用例を紹介する.
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© 2010 日本信頼性学会
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