2010 年 32 巻 7 号 p. 478-483
電子デバイスは微細化と高機能化により評価・解析が困難になる一方,故障による社会への影響は益々,増加している.本稿では,当社の解析実績から故障原因としてESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)故障が多くなっていることから,デバイス組立工程内での静電気管理を確立することでESD障害を低減させる「組立工程のESD対策」技術を紹介し,またデバイス選定の手段として,電子デバイス製造者が良品として市場に出荷した試料をきめ細かく解析し,当社の35年間以上に蓄積されたデータベースと対比することによって,将来起こる恐れのある故障を未然に防ぐ数値化された良品構造解析を紹介する.このデバイス診断技術は人間に例えれば,外見が健常者でも血糖値や血圧などが高い人を数値によって診断し,アラームを鳴らす方法と同じである.さらに,最近話題のLED(Light Emitting Diode)照明の過渡熱特性評価を実施し,放熱特性に各社の特長が有ることを報告する.