2016 年 38 巻 5 号 p. 294-299
地震などの災害発生直後においては,災害対策本部や消防本部の担当者は,被災地域やその程度を速 やかに把握し,救助や消火などの対応を適切に行うことが求められる.しかし,災害対応初動期におい ては,通信の輻輳や防災担当者数の不足などにより,被害情報のとりまとめを早期に行うことが困難で ある.本稿では,地震発生後,2,3 分で気象庁から発表される震源情報から,速やかに被害結果を推定 し,その結果を電子メールなどで提供することが可能な地震被害想定システムの概要と実運用に基づく 推定精度の検証結果について延べる.