日本信頼性学会誌 信頼性
Online ISSN : 2424-2543
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大規模災害発生時に柔軟に対応できる情報インフラについて
不破 泰
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2016 年 38 巻 5 号 p. 300-307

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抄録
熊本地方を震央とする大規模地震の発生は,我々に改めて災害に備えた対策の大切さを示す一方,災 害発生地区を予め想定して対策準備を整備することの限界を示している.一方で,地域の防災・減災計 画の中で,ICT(Information and Communication Technology)が果たす役割はますます大きくなっている. これまで我々は,電力・通信ケーブル等既存の有線インフラに頼らない自立性と,通信機器群の一部が 被災しても自律的に稼働し続ける Ad-Hoc 無線ネットワークシステムを提案し,長野県塩尻市で 600 台 以上の中継機網を構築して安全・安心な街づくりに取り組んできた.現在,その成果を元に,どの様な 震災が発生した地域にも短時間に新たに敷設できる情報インフラシステムの開発を行っている.本展望 では,この研究の一環として宮島と砺波市で実際に短期間の情報インフラ構築を行った際の状況につい て述べ,この経験から明らかになったこととその結果から現在進めているシステム開発について述べ, 災害時における情報インフラのあり方を論じる.
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© 2016 日本信頼性学会
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