抄録
昨年来、安全・安心という一体概念のモデル化について、心理的、工学的考察を行ってきた。そのモデルは安全と安心の間に信頼性モデルを置き、心理的側面と工学的側面による考察を行った。しかし、「何故、想定外が絶えないか?」に対する十分な解が得られなかった。そこで想定外を乗り越える安全設計の方法を再考察した結果、信頼性設計の確率論的設計に安全設計が頼りすぎているため、稀に発生する事故を想定外と考え易いことに問題があることに至った。そこで、本論文では何故そのようなことになるかの原因とその解決方法を報告する。