本研究の目的は,虫飼育活動に熟達した保育者の実践を通して,虫飼育活動における保育者の幼児に対する質の高い働きかけを明らかにすることである。調査1は,虫飼育活動に熟達した保育者を観察して,虫飼育活動中の保育者の言葉かけの内容を検討した。調査2と調査3は,熟達した保育者クラスの5歳児と他クラスの5歳児で,「チョウの知識」,「虫との接触経験」,「命の理解」,「幼虫に触れない幼児への助言」の違いを検討した。それらの結果,保育者の「虫に対する感情の表現」や「虫の扱い方」の言葉かけは幼児の虫や仲間との交流を促していた。さらに,保育者の「虫の知識」の言葉かけが幼児の虫への興味と虫の知識の獲得を促していた。