本稿は,保育の評価のあり方について,建築の視点で述べることが目的である。保育施設は,子どもが職員や他の子どもたちとの生活や遊びを通じて,基本的生活を身につける場である。これを保障するためには保育施設の建物が,子どもの安全を確保できること,面積や空気・温熱・音環境などの保育機能に必要な物理的環境を完備していること,保育実践における思想や理念を具現化できることが必要である。保育者・保護者・施設経営者・建築士・地方自治体の行政担当者を含む保育にかかわる関係者が協力して,これらの建築の3つの視点に基づき,課題を認識し,解決を図るべきである。