保育学研究
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原著<論文>
母体心拍音聴取時における幼児の心拍数の変化に関する基礎的研究
―安心感を視点とした保育実践の可能性―
立本 千寿子
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2018 年 56 巻 3 号 p. 115-125

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抄録

本研究の目的は,母体心拍音聴取時において,幼児がどのように反応するかに関し,安心感に着目した心拍数の変化により明らかにすることであった。38.0~74.0か月の幼児33名を対象とし,無音・母体心拍音・オルゴール音を聴取する実践を通して,心拍数を測定した。その結果,音の聴取において,母体心拍音は,他の聴取音(無音・オルゴール音)よりも,心拍数を減少させる傾向にあることが明らかになった。またその際,特に,何も聴かない無音で過ごすよりも母体心拍音の聴取をする方が,心拍数が減少することが顕著であった。以上の結果をふまえ,幼児が育つ場における母体心拍音の有効性を考察し,保育実践の可能性を示した。

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© 2018 一般社団法人 日本保育学会
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